【PSVita】シェルノサージュ offline ~失われた星へ捧ぐ詩~ レビュー

PS Vita / PSP
06 /21 2017
ジャンル7次元コミュニケーション(アドベンチャー)
メーカーガスト
発売日2014年10月2日


あらすじ



太陽の膨張により崩壊しつつある世界を救うため、2つの組織「地文」と「天文」はそれぞれ皇女を擁立する。
だが天文の皇女であるイオンは何故か記憶を無くし、小さな部屋に身を寄せていた。


その部屋がどこなのか、何故そこにいるかも覚えていないイオン。プレイヤーである「あなた」の助けでイオンの記憶を取り戻し世界を救うことはできるだろうか。
7次元先の世界で過ごすイオンと「あなた」の物語がいま幕を開ける。





世界観



先に述べたようにイオンは記憶を無くしておりほとんど何も覚えていません。機械好きのイオンが何とはなしに修理した端末に映ったのがプレイヤーである「あなた」。
画面を通してお互いの生活を見ているという感じで、こちらと同じようにイオンもリアルタイムで1日を過ごしています。朝はごはんを作って食べて、お昼には物を作ったり採取をして、夜になればお風呂に入り眠ります。




端末の「あなた」はタッチパネルをトントンと叩いてイオンにやってほしい事をお願いしたり、頭をなでなでしてコミュニケーションをとっていきます。
お願いできる事は色々とありますが主には物の制作で、イオンの服やイオンが思い出したアイテムを作れます。
服の種類は豊富でどれも可愛いです。服だけでなく眼鏡やアクセサリーも作れるので自分好みの格好をしてもらうこともできます。





仲が深まればデートに出かけることも出来ます。カフェやお祭り、温泉といった定番所から教会や学校など普段はデートで行かないようなところまであります。イオンの服装を変えるだけでデートの雰囲気もガラリと変わって楽しいです。
デートの最後にはイオンと触れ合えるので、あんなところやこんなところをトントンする紳士も多いことでしょう(笑)




肝心のストーリーは、イオンの記憶が取り戻される度に進んでいきます。シャールという妖精がイオンの記憶を修復することで一つずつ思い出していきます。
あくまでも記憶を覗いているにすぎないので全ては過去のことなのですが、思い出した記憶に一喜一憂するイオンと触れ合ううちに「次はどんな記憶を取り戻すだろうか」と次の展開が気になっていきました。

ちなみにシャールは現実世界のバーコードをVitaで読み取ると生成されます。読み取るバーコードによって色んなシャールが生まれますが、ガスト製品のバーコードだと特別なシャールが生まれることもあります。
シャールにはレベルやスキルが存在し、記憶を修復して経験値を得ることで成長していきます。外見の変更が可能なのでこだわりのシャールを作るのも楽しいと思います。






ここがオススメ!


シナリオが深く濃い展開なので読み進める楽しみがあります。
物語の舞台となる惑星ラシェーラは地球とは異なる文化が根付いていて生活スタイルも違うのでお話が非常に壮大です。そこに住まう人々の考えや行動が詳細に描かれているのでリアルな世界を覗けました。まるで異国を旅して実際に自分の目でみているかのような感覚でした。

登場するキャラクターたちもみんな個性的です。てんでダメダメなイオンとその対立候補で聡明なカノン、いつも元気で賑やかなのに辛い過去をを抱えるネイ、天才ハッカー少女とその友人(ヲタク)など色々と濃いです(笑)
私はこのヲタク君が好きでしたねー。やる時はやる頼りになるキャラクターでかっこよかったです。普段は一週間徹夜してエロフィギュア作ってるキャラですけど(笑)





ストーリーに関してだと歌と踊りも非常に見ごたえがありました。
シェルノサージュでは歌で願いなどを具現化するので、透き通った歌声に合わせてキャラクターが踊る様は幻想的で美しかったです。ストーリーの中でも歌と踊りを見るだけのためにやってるといっても過言ではないほどでしたね~。歌は志方あきこさん、霜月はるかさん、みとせのりこさん、南條愛乃さんなど歌姫が勢ぞろいしていてとても豪華でした。



あと女の子が画面の向こうにいて同じ時間を共有することがなかなか珍しいなと思います。自分が一方的に向こう側に関与するのではなく、向こうからもアクションがあるためさながらビデオ通話のようです。
お願いすれば端末の位置を変えてもらえるのでより近くでイオンを見られて本当に一緒に生活をしてるかのようでした。



気になった点



全12章ですが序盤の5章くらいまでイオンがうじうじするので凄くイライラしました。

自分が「皆の前で踊りたい」と言いだしたくせに踊りがど下手、踊りを教えてくれている友達が本当にやる気あるの?とイオンを叱ると「ヒドイよ、わたしホントに一生懸命やってるのに、どうして信じてくれないの!?」と逆切れ。その他にも「私なんか」が口癖だったりで自信がないにしても卑下し過ぎで鬱陶しかったです。すぐに騙されて碌な展開を招かないというのもストレスがたまるポイントでした。

後半はイオンの成長っぷりが見られますがそれでも疲れただの弱音を吐くので…。
「女の子キャラを自分が守ってあげたい!」と思う人じゃないと厳しいかも。ダメな子ほど可愛い、と思えるかどうかが境目のように感じます。



また、もともとオンライン前提で作られたゲームなのでストーリーは小刻み、ちょこちょこロードも挟むのでテンポが悪いです。章が終わるたびに挟まれるエンディングはスキップが出来ず12回(13回だっけ?)スタッフロールを見ることになります。

さらにイオンの生活も24時間、良くも悪くもリアルタイムなため非常にテンポが悪いです。24時間のうち睡眠、ごはん、お風呂など「お願い」を聞いてもらえない時間が多々あって、実質イオンとデートしたり物を作ってもらえるのは約9時間ほどしかありません。1つの動作が終わる度に読書や昼寝などが挟まれ、次の行動がワンテンポ遅れてしまうのですごく気になってしまいました。



最終話での工作も手間が多く面倒でした。最終話ではストーリー上ある機械を作る必要があるのですが、その工程と材料が膨大でかかる手間が半端ないです。
たとえばAという物を作ろうとしたら材料にBCDが必要で、Bを作ろうとしたらEFGが必要、Eを作ろうとしたら…という風な具合です。1つの材料を取りにいくのにリアル時間10~30分ほどかかるので…お察しください。



ちなみに「シェルノサージュ オフライン」ではストーリー進行などで得られる「HymP(ヒュムノポイント)」でゲーム内時間を進められます。1分進めるのに1ポイント必要で、私が最終話に入った時点で6万ポイント以上所持していましたが作り終わった際に残ったポイントは1万ポイントを切るくらいでした。他の物を作ったりもしていましたが…本当に大変でした。



最も注意が必要な点は「シェルノサージュだけでは物語は完結しない」というところ。
一応エンディングはあるのですが「このあと世界はどうなったの?」「あの人いったい何だったの?」「登場人物は救われたの?」と考えずにはいられません。エンディングも2つありますがそのうち1つは続編「アルノサージュ」がないと見られない仕様です。
この作品だけで完結するものと考えていると非常にスッキリしないので、シェルノサージュをプレイする際にはアルノサージュも購入した方が良さそうです。



ボリューム



ボリュームは凄く多く、毎日欠かさずプレイしてもエンディングまで2週間ほどかかりました。
トロコン難易度は普通~やや高め。トロフィーは「ストーリー〇章を読んだ」などが中心ですが「イオンと結婚する」というものもあり、これに関してはイオンとデートをしまくるしかないのでイオンに対する愛(と時間)が無いと到達できないかなと思います。

普通にエンディングを迎えるだけでも物凄く時間がかるゲームなので、Vitaを常時つけっぱなしにして放置するスタイルになると思います。




総評



非常に独創的な作品でレビュー内容に悩むゲームでした。

このゲームで言いたい事ををまとめるなら、

・イオンの記憶を取り戻すのが目的。
・最初のイオンはイライラする。そのうち成長する。
・登場人物が濃い。大人は何らかの目的があってイオンに近付く者ばかりだがそれだけの理由がある。
・オフラインと書いてあるがオンラインゲームをまるごと移植した感じ。
・みんなハッピーな大団円にはならない。
・続編「アルノサージュ」への壮大な前振りである。
・「シェルノサージュ」だけでは謎は解決しない。
・エンディングが2つあるがうち1つはアルノサージュを所持していないと見られない。


この中では特に最後2つの、シェルノだけでは完結しないという点がなんだかなーと思いました。個人的にゲームは一本で完結してほしいので…。

ストーリーに関してはヒロインのイオンよりネイちゃん可哀想って感じでしたねー。イオンと触れ合ううちにイオンを大切に思うようになっていきましたが、私がネイちゃんなら序盤でイライラして殺してしまうかもしれません。
だって自分が殺されてその体に入った魂(ネタバレにつき反転)というのがデモデモダッテちゃんってかなりイライラすると思うんですよ…。後々成長したら素敵なレディーなんですけど…短気な私にはそれまで我慢できないかもなぁって思いました。


結局、本作「シェルノサージュ」は、オンラインだったからこそ良かったんじゃないかな~と思いました。オンライン版だと、時間が進められない事やアップデートに時間がかかっていたことから必然的にイオンとの付き合いも長くなるので、共に生活している感覚が強かったんじゃないでしょうか。
オフライン版はゲーム内時間を進めることが出来てオンライン版より圧倒的に短い時間でクリアできるのが大きな魅力だとは思いますが、その分イオンや作品に対する愛着は薄れるように思います。


シェルノサージュは長く付き合い、何度も繰り返しストーリーを読んでこそ楽しめるゲームなんじゃないかなと思います。
ストーリー、世界観が凄く練られていて謎や策略、そして愛に溢れているので考察物が大好きな方にオススメです。






総合結果
★4.1 (★5中)
世界観★★★★★
シナリオ★★★★
システム★★
音楽・映像★★★★★
イラスト評価しない
キャラクター★★★★★
ボリューム★★★★★
オススメ度★★★

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